2chオカルト板・怖い話・洒落怖怪談の厳選まとめ

2chのオカルト板・怖い話・洒落怖の怪談などをまとめたブログです。怖い話を厳選して掲載。閲覧注意。

2013/07/20(土) 02:00:00

143 :本当にあった怖い名無し:2006/08/03(木) 00:08:14 ID:C5KNLqsy0
実話というか、母から聞いた話。肉親の話だから嘘じゃないとは思う。
母の昔の記憶だから、多少あいまいなとこはあるかもしれないけど。

母がまだ子供の頃なんだけど、遊んで家に帰ってきたら、居間の雰囲気がいつもと違う。
そんときは家に誰もいなくて、母一人。
で、何が違うのかよくよく考えたら、飾ってあった人形の位置が変わってたんだと。
普段はサイドボード?(食器棚みたいなやつ)の中に入れて飾ってるはずが、
何故か床にうつぶせの状態で落ちてたらしい。
母の母(俺のばあちゃんな)は几帳面な人だったから、人形を放り出してどっか出かけるなんてあり得ない。
母はそう考えて、最初は泥棒が入ったんじゃないかと疑ったんだそうだ。
だけど、部屋の中の他のものは全く動かした形跡もないし、
何か気持ち悪いなと思いながら、母は元の場所に人形を戻しておいた。

そうしてるうちにばあちゃんが家に帰ってきたんで、母が聞いたらしい。
「人形床に落ちてたけど、動かした?」みたいな感じで。
そしたらばあちゃんは血相変えて「本当か!?」と慌て出したらしい。
慌て方が尋常じゃないんで、母も怖くなって、
ばあちゃんに何が起きてどうなったのか聞いたらしいんだが、「教えられない」の一点張り。
とりあえず、母の父(俺のじいちゃんだ)が仕事から帰るのを待ってたんだと。


144 :143:2006/08/03(木) 00:09:19 ID:C5KNLqsy0
じいちゃんが仕事から帰ってきて、ばあちゃんが早速そのことを報告すると、
じいちゃんがいきなりばあちゃんを張り倒して、「だから捨てろと言ったんだ!」ともうブチ切れ。
その日のうちに、車で1時間以上かかる距離の寺まで行く、といってじじばばは出て行ったんだと。

母は一人残されて心細く思いながらも、寝たんだそうだ。
そしたら夢の中にその人形が出てきて、居間の中を飛び回ってる夢を見たらしい。
「普段見慣れてる人形の姿じゃなく、もっと人間ぽい質感になってた」と母は言ってたが、
昔の話だし、夢の中のことだから俺にはわからん。

朝になって母が起きてくると、じじばばが疲れきった顔して朝飯食ってた。
昨日はいったい何があってどうしたんだと母が聞いても、
「あなたは心配しなくても大丈夫」と取り合ってくれなかったそうで、母はもやもやしながら学校へ行った。

で、学校から帰ってくると、ばあちゃんがその人形を丁寧に拭いている。
特に足の裏を念入りに拭いていて、何をしてるのか聞いてみたが、ばあちゃんは教えてくれない。
ちらっと見えた人形の足の裏は、泥がついたみたいに真っ黒くなってて、
ばあちゃんがそれを拭いてるように見えたらしく、さすがに母も気持ち悪くなり、ばあちゃんを問い詰めた。


145 :143:2006/08/03(木) 00:10:04 ID:C5KNLqsy0
で、ばあちゃんが白状した内容が、
・人形は昔からばあちゃんが大事にしていた。(ばあちゃんが子供の頃から)
・大事にしすぎて、じいちゃんと結婚するときも、捨てるに捨てられず持ってきた。
・以前も人形の位置が変わったり汚れたりしたことがあり、寺に相談に行った。
・寺の住職の話によると、ばあちゃんが人形を大事にするあまり、人形自体に念のようなものが移り、
 霊的なものも入り込む受け皿になった、との事。
・そのときは、住職にお経を唱えてもらって静まった。
 住職からは、「このまま家に置いておくとまた良くないものが入るから、寺に預けたほうがいい」と言われたが、
 大事なものなので断った。
・昨日もその寺に人形を持って向かったはずが、寺に着いてみると人形がどこにも見当たらず、
 仕方なく帰ってきたら、玄関先に人形が落ちていて、足の裏が真っ黒だった。
・箱に入れて持っていったので、出るときに玄関先に落とすということはありえない。

その話をしてる間中、ばあちゃんは人形の足の裏を拭き続けていて、
母は子供心に、ばあちゃんがよっぽどその人形を大事にしてるんだな、ってことと、
その人形にはまだ何かの霊がとりついているんだ、ってことを思って、
どうしようどうしようと考えてたらしい。


148 :143:2006/08/03(木) 00:12:07 ID:C5KNLqsy0
じいちゃんが仕事から帰ってきて、母はじいちゃんに相談した。
じいちゃんも、前回人形がおかしくなったときにひどい目にあったらしく、(詳しくは教えてくれなかったそうだが)
今回はどうしても人形を処分したかったらしい。

で、ばあちゃんに言うと渋られるだろうから、ってことで、
ばあちゃんが寝てから、コッソリ人形を寺に持っていくことにした。
母も人形に対する怖さが先に立ってしまって、それに賛成したらしい。

で、その夜、じいちゃんは人形を持って出かけて、そのまま帰ってこなかったらしい。
人形はというと、次の日の朝、玄関先に落ちているのをばあちゃんが発見した。
ばあちゃんはそれっきり、人形を誰にも見せなくなったらしい。

ばあちゃんはそれ以来、どこかおかしくなってしまったみたいで、
(じいちゃんがいなくなったのもあったみたいだが)
結局母は、叔父の家で暮らすことが多くなったんだと。

そんな暮らしをしてる間に母も大きくなって結婚して、俺が生まれるちょっと前に、ばあちゃんは病気で入院した。
母がばあちゃんの部屋を整理していると、押入れから箱に大事に入れられたあの人形が出てきたらしい。
それを見て母は愕然としたそうだ。
人形の顔一面に、何かを浴びたような黒いシミがあり、
人形の至るところにお札が貼ってあったり、経文が書かれていたりの、それはすごい状態だったらしい。

母は慌てて寺に行き、住職(その頃は前の住職も亡くなってて、次の代だったらしい)に家まで来てもらい、
お経をあげてから寺に引き取ってもらったんだと。
で、お経をあげ終わって、母が「ありがとうございます」って言って、住職をさて送ろうかってときに、
病院から連絡が入って、「ばあちゃんが大変だ」と。


149 :143:2006/08/03(木) 00:14:17 ID:C5KNLqsy0
母が急いで病院にかけつけると、ばあちゃんはもう虫の息だったらしく、
しばらくしてそのまま亡くなったそうだ。
ばあちゃんのお骨は、母の希望で、寺でしっかり祓ってもらったあとの人形と、一緒に埋められたらしい。

人形とばあちゃんの因果関係とか、じいちゃんが結局どうなったのかとかはわからんのだが、
ついさっき母に聞いた話だ。
母の解釈は、じいちゃんは寺に人形を預けにいく途中に何かあって、たぶんもう生きてないだろう。
(当時捜索願も出したが、胡散臭い目撃情報しかなかったらしい)
人形についてたシミは返り血じゃないか。ばあちゃんはそれを理解しておかしくなったんじゃないか。
ってとこで落ち着いてた。
じいちゃんもばあちゃんも、「病気で死んだ」としか聞かされてなかったからショックだ・・・
しかも俺、来週ばあちゃんの墓参り行くんだよ・・・


150 :本当にあった怖い名無し:2006/08/03(木) 00:23:29 ID:w72PQDMi0
143がお墓参りに行った時、もしその埋めたはずの人形がちょこんと部屋の隅に置いてあったりしたら・・・・
どうするよ(´ω`;)


152 :143:2006/08/03(木) 00:28:50 ID:C5KNLqsy0
>>150
怖いこと言わないでくれ・・・
俺もさっき聞いたばっかだし、自分の親父行方不明になった話だってのに、母はやけに普通に話すし・・・
人形の種類書き忘れたけど、市松人形だっていうし・・・

2013/07/19(金) 18:00:24

898 :本当にあった怖い名無し:2008/05/08(木) 00:21:08 ID:lKlWGRUk0
私は怖くないけど、友人が怖い怖いと言うので自分をネタにしてみる。

私は動物好きだ。でも友人は、「それは違う」と言う。
特に小動物が好きで、手にふわふわした毛皮の感触があるのが楽しい。
大学で実験用のネズミを掴んだときは、もぞもぞ動くのが可愛くて撫で回してた。
そしたら友人が、「何やってんの?メチャメチャ苦しがってるじゃん!」と言ってひったくられた。
なるほど、友人の手に移ったネズミは大人しくなった。
掴み方が悪かったのかと次のを掴んだら、やっぱりじたじた動いてた。
楽しかったから、今度は友人に渡さずに堪能してたら、凄く気味悪そうに見られた。
「誰が見ても、首を絞められて苦しんで暴れてると分かる様子なのに、何ひとつ感じないで笑ってる私が怖い」
と言っていた。
別に首を絞めたつもりはなかったし、手触りが気持ちよかったから夢中で気づかなかった。

実家に帰省したら、親が猫を飼ってた。
可愛いなと思って近寄ったら逃げた。
捕まえて抑えて撫で回してたら叱られた。
私は遊んでるつもりだったが、猫は本気で苦しがってたらしい。

ついでに言うと、私は赤ちゃんも好きだ。
でも、友人宅で抱かせてもらったら、赤ちゃんが泣き喚いて、慌てて抱き取った友人は、2度と触らせてくれなかった。
抱えてただけのつもりだったけど、何か変な持ち方してたらしい。

で、今妊娠中。
友人に話すと、何だか皆が奇妙な顔になる。
さすがに自分の子くらいちゃんと育てられる、と思いたいが、ちょっぴり不安になる今日このごろ。


900 :本当にあった怖い名無し:2008/05/08(木) 00:43:11 ID:8dZBGUVs0
>>898
風船を持つと割れちゃうとか?


902 :898:2008/05/08(木) 00:53:41 ID:lKlWGRUk0
風船はないけど、細かい物や壊れ易いものは、うっかり壊しちゃうことはある。
ただ、動物を握り潰したことはないので、大丈夫かと思ってたんだが、
友人に言わせると、
「苦しんでるのを気づきもしなければ、気にもしない時点で既に怖い。
 殺さなきゃいいってもんじゃない」
だそうです。


906 :本当にあった怖い名無し:2008/05/08(木) 01:04:32 ID:RBk0Sa/h0
>902
問題は、「相手が苦しんでいる様子を、苦しんでいると認識出来ない」所にあるようだけど、
それは育児において、ものすごくヤバい障碍だと思う。
(赤ん坊が苦しがってても気付けない訳だから、病気になっても放置してしまう)

パートナーに、赤ん坊の様子を逐一観察してもらってた方がいい。


907 :898:2008/05/08(木) 01:13:50 ID:lKlWGRUk0
>>906
ああ……多分それですね。友人一同が危惧してるのは。

いや、言語で、
「俺は今、熱があってだるい。頭も痛い。薬と消化の良い食べ物をすぐに用意しろ」
とか言われたらやるんですけどね。
それで、夫は私が変とは思ってないようです。

ただ、言葉を使わない動物や赤ちゃんが、動いたり鳴いたりする様子は、可愛いなあと思うだけなんですが、
どうもその中に、本気で苦しんでるケースがあるらしいです。
脈拍や呼吸や心音が弱まってきたら気づきますし、明らかな外傷や火傷は見て分かるから、
経験からしても、殺してしまうことはないと思うんですけどね……


909 :本当にあった怖い名無し:2008/05/08(木) 01:23:19 ID:hadk/l6rO
>>907
軽度のアスペルガーじゃない?
素人が言っちゃいけないけど、ウチの相方がそうだから、ひょっとして…と思った。

本当にこの先不安だと思うならば、一度お医者様にみてもらうのもいいかも。
気にならない程度なら別にいいんだけど…
失礼なことを言ってすまん。


910 :898:2008/05/08(木) 01:33:08 ID:lKlWGRUk0
>>909
あ、いえ、別にそこまで本気に悩んでるわけじゃないです。
お気遣いありがとうございます。

ただ、妊娠報告した友人が複雑な反応を返すので。
その中に、学生時代に私を「怖い怖い」と言っていた人がいたので、
思い出してネタにしてしまいました。

生まれてくるまでに十分に勉強して、きちんと子供の状態と安全に気を配れるように注意します。
自分だけで不十分なら、実母なり姑なり医師なりのアドバイスを仰ぐつもりです。
さすがに子殺しの母になるのは嫌なので、子供が言葉で自己主張できる年齢まで気をつけていきます。

スレチ気味なので、これで失礼します。


914 :本当にあった怖い名無し:2008/05/08(木) 09:28:30 ID:iRrEasMoO
>>898
他者の感情や苦痛を、感覚的に理解できないんだな。
そして、その『異常』を自覚できていない。

確かにこれは洒落にならんくらい怖いわ・・・

2013/07/19(金) 02:00:38

193 :本当にあった怖い名無し:2006/06/30(金) 17:34:08 ID:uoC/HSlxO
自分なりに恐かった事を書いてみようと思う。
もう4、5年は経ったし、何より関係者全員無事に生きてる。
恐い思いだけだったんだからいいやと思う反面、やっぱりあれは何だったのか不思議で仕方がない。
つたない文章だし、あやふやな表現もあるかもしれない。そこは勘弁してほしい。
本当に体験した出来事なのに、いまいち自分の中で未消化なもので。

事の発端は、仲間と飲みに行った時。この話は、実は他のスレでも書いた事がある。
その時は全部書ききれなかったので、今回書かせてもらおうと思う。

仲間8人で居酒屋に飲みに行った時の事。早くに酔い潰れてしまった女の子がいた。俺の友人の連れだ。
座敷で広い座卓に突っ伏して眠りこけた彼女を、ほっといて俺たちは楽しんでいた。

そろそろ帰るかという話になり、彼女を起こそうとするが起きようとしないので、
誰かが「携帯鳴らしてやれよ。起きると思うぞ」と言いだした。
彼氏である友人がニヤニヤしながら、彼女の携帯に呼び出しを始めた。
音から察するに、携帯は彼女の突っ伏した腕の下にある事がわかった。
携帯ストラップも腕の下から覗いている。
10秒鳴らして、周囲の迷惑を考えてか、友人は鳴らすのを止めた。
「あ〜駄目だわ。こいつ、寝起き悪いんだよね」
酒も入ってるし、無理に起こすのも可哀相だからと、しばらく待つつもりで俺たちは腰を降ろしたその時、
友人の携帯にメール着信が入り、開いた奴の顔からいきなり血の気が引いた。
「うわ、なんだよ…これ。」
なんだなんだと、俺たちの間でそいつの携帯がまわされた。
差出人は眠りこけてる彼女。本文は『眠い、寝かせてよ。』
彼女の携帯は、ずっと彼女の腕の下だ。ストラップも見えている。
すうっと首の辺りが寒くなった気がしたものの、
飲みに来ていた他の仲間は、「よく出来た悪戯だろ。すげえな」と感心したので、
俺たちもその答えに納得して、その夜はお開きになった。


194 :193:2006/06/30(金) 17:36:43 ID:uoC/HSlxO
それからしばらくして、俺は仰天する事となる。彼女が亡くなったのだ。
もともと体は弱かったらしい。詳しく聞くのも悪いと思ったので、結局聞いていない。

彼氏である友人の希望で、俺は付き添って葬式に出る事になった。
他の仲間もやってきて斎場へ向かい、受け付けを済ませ、
式の邪魔にならないよう、隅の席で小さく無言で固まっていた。

読経が始まり、皆うなだれている。その時ふと、飲み会の事を思い出してゾッとした。
そしてなぜか、そこに居る仲間たちも自分と同じ事を思い出しているに違いない、という気持ちがした。

じき、焼香かなという頃、いきなり携帯が鳴り始めた。おそらく、その場に居た全員の。
勿論俺たちは消音にしていた。でも、相当数の携帯のバイブが一斉に反応したので、かなり音が響く。
中には会場に入る前に消音にし忘れた人もいて、あわてて切っていた。
呼び出しは始まりと同じく、いきなり切れた。全員一斉に。俺たちは黙って、顔を見合わせるしかなかった。

斎場を出て各々携帯を調べたら、確かに同時に着信があった事がわかった。それも非通知。
非通知着信拒否設定も意味がなかったらしく、女の子の中にはパニックに陥る子もいた。


195 :193:2006/06/30(金) 17:38:34 ID:uoC/HSlxO
喫茶店に入って、これまでの事を話し合った。
飲み会に来ていなかった連中に説明をしたり、逆に俺たちが知らなかった他の事件について教えてもらったり。
結論として、亡くなった彼女はかなり不気味な存在であることが判明した。
俺の知ってる彼女は内向的。おとなしく、どちらかといえば地味。
控えめな人好きな友人のチョイスなので、あまり気にはかけなかった。
飲み会でも喋らずに黙々と飲んでるタイプ。
ブスでも美人でもない。というか、印象が薄くてすぐに忘れてしまうんだ。
覚えてるのは、貝殻が好きだった事。いつか、店先でインテリアの貝殻を手にとって耳にあてていた。
「私の耳は貝の耳。海の響きを懐かしむ」と口ずさんでいた。多分詩だと思う。
「それ、海の音じゃないよ。自分の体の中の音が反響してるんだってさ」
と、ロマンの欠片も無い俺が茶化すと、ぼんやりした生気の無い彼女の顔に一瞬笑みがのぼった。
「〇君も、そのうち自分の貝殻に耳を傾けるようになるよ。今にね。きっとそうなるよ」
「そうかな、楽しみだね〜」なんて笑って肩をすくめてみたが、
彼女は真剣そのもので、反応の薄い彼女にしちゃ珍しいな、くらいにしか思わなかったんだ。
彼女の言ってた事が、今回の件だったのかは最後までわからない。


196 :193:2006/06/30(金) 17:40:02 ID:uoC/HSlxO
他の奴も、彼女の風変わりさに気付いていたらしい。
ある女の子は、彼女が他界する一ヵ月前に街中で会って、しばらく一緒に歩いていったそうだ。
買い物したらしくショッピングバッグをいくつか持っていたので、手助けすると彼女はとても喜んだらしい。
「あなたには特別に教えてあげる。私ね、ちょっとだけ先の事がわかるんだ」
女の子は面白い冗談だと思ったようで、
「すごいじゃん。株とか先物取引とかわかったらお金持ちになれるよ」と、相づちをうったらしい。
「そういうのはわかんない。興味ないからね」と言われ、「どういうのがわかるの?」と尋ねると、
誰も居ない交差点の角を指差して、
「あそこに居る男の子わかる?あの子はあさってここで死ぬんだよね」

そこまで聞いて全員顔を見合わせた。
「それって〇のとこの?」
女の子は首をたてに振った。
「だって、冗談だと思ったんだもん」
死亡事故は、その通り起こっていた。彼女は日にちも言い当ててた事になる。

彼女の彼氏、つまり俺の友人は重い口を開いた。
「あいつ、慢性的にこの世に恨みをもってたよ。それでいて、時々猛烈にこの世界に愛着を感じていた。
 多分、心を病んでたと思う。
 俺がどうかしてやれるかなと思ったけど、駄目だったらしい」


197 :193:2006/06/30(金) 17:42:49 ID:uoC/HSlxO
以下、奴の話。

バイトで知り合った二人が、付き合い始めてしばらくして、彼女はよく友人に話していた事があった。
彼女は時々、まとまりがなくなるというのだ。
普通の人のように形状を維持できない。分散してしまう。この板でいうと、アリス症候群みたいなものだろうか。
友人は彼女の分裂症を疑ったが、放っておけず色々話を聞いてやったらしい。

まとまりが無くなった彼女は、色んな物に部分的に入り込んだり、色んな物が見えたりするとの事。
飼ってる猫、掃除機、水の入ったコップ、石、そして携帯。
彼女が眠りながら、無意識か有意識か携帯を操ったのは、どうもここら辺らしい。
携帯電話に彼女の一部が入り込んだのか、はたまた彼女が携帯になってしまったのか。
まだその時は、手の込んだ悪戯だと思い込もうとした。やろうと思えば出来ない悪戯じゃない。
非通知着信拒否してた奴は、設定ミスか思い違いでもしてたんだろうと。
死んだ人を冒涜してる奴がいるかも、と思うと腹もたった。友人は実際、憔悴しきっていたし。

気まずい気分になり、帰るかという話になった。今日の葬式の携帯については忘れようと。
その時、また携帯が鳴りだした。メールの着信。差出人は非通知。全員一斉に。
『ねえみんな、面白かった?』
冗談にしてはひどすぎると俺が言い掛けたその時、女の子の一人が泣きだした。
電源を切ったのに着信したらしい。


198 :193:2006/06/30(金) 17:45:06 ID:uoC/HSlxO
半狂乱の仲間たちをなだめて、帰宅したのは夜遅くなってから。
疲れていたものの眠れるはずもなく、酒を飲んで気を紛らわせていた。

数日後、一通のメールを受信した。非通知。非通知着信拒否設定にしていたのに。

以下全文。

『○君、(彼女)です。急な事でびっくりしたと思います。
 年々私は生きてる感じがしなくなったので、もう死んでしまうんだろうな、ってわかってたよ。
 生きていても楽しくなかったし、意地悪な人ばかりで正直煩わしかったし。
 嫌いな人を呪い殺してやりたいよね。私にはそれが出来るし。
 でも、そうしようとしたら、
 (彼氏)君や、話を聞いてくれたり、慰めてくれた〇君や他の人達の顔が浮かんでくるの。
 この世に未練なんか残すんじゃなかったよ。
 どっちつかずで今も彷徨ってる。
 電波にのればどこにでも行けるんだよ。すごく便利。
 意地悪な人のとこに行って色々してやりたい。でも○君は賛成しないかな。
 困ったことに、どんどんまとまりが無くなってきてる。
 そのうち自分がわからなくなるかもしんない。
 その前に仕返ししたいなあ。引っ張るだけでいいんだよ。
 じゃあ、またね。』


199 :193:2006/06/30(金) 17:47:04 ID:uoC/HSlxO
メールを受け取る前日、俺は携帯のアドレスを変更していた。悪戯はもうこりごりしていたので。
明日になったら、必要最低限の人に新しいメアドを知らせるつもりでいた。
誰も知らない俺のメアドに彼女からのメール。
偶然というより、『私、こんな事出来ちゃうんだよね』というメッセージに思えた。

やっぱり彼女は病んでたと思う。それを自分で持て余してたようだった。
病んだ心で彼女が誰か引っ張らないか、間違えて俺や彼氏の友人を引っ張ったりしないかガクブルしてたが、
今でも生きてるところをみると、彼女は分散してしまったに違いない。
彼女にとっては幸せじゃないかな?あれから誰も死んでいないし。
そのことを思うと泣けてくる。もっと優しく接してやれたのにってな。
そしたら、恨みなんてきれいさっぱり消えたかもしれない。

それから一年くらいして、『着信アリ』を観た。
あんな風にならなくてよかったと思った。


200 :本当にあった怖い名無し:2006/06/30(金) 17:48:33 ID:WUPVtpur0
非通知のメールってあるの?


201 :193:2006/06/30(金) 18:00:49 ID:uoC/HSlxO
その時は俺もそう思った。だけど実際に届いてみれば、なんだか信じざるを得ないし。
届いた内容について考えたら、かなり些細な事に思えたからな。
非通知着信拒否設定も、電話のみで安心してたのかもしれない。
でも、差出人不明のメールが非通知として届いたのは事実だから、恐かったんだ。
うまく説明できないが。
多分俺も含めて、誰も携帯ショップに相談とか行ってないと思う。
もし悪戯でそんな事出来るなら、これほどひどい話はないわな。

2013/07/18(木) 21:00:00

350 :本当にあった怖い名無し:2007/01/16(火) 12:42:40 ID:/kWWBoHz0
とある、ヨーロッパの国に留学してた時の話を。

まぁ言葉もままなら無い頃、よく日本人の友達を家に呼んで飲んでたんだが。
俺の家は屋根裏で、大き目の丸窓から地下鉄の出口が見える。
エスカレーターだけでモロに出口専用なのだが、怖いのは、たまに夜中過ぎに意味もなく動き始めること。
夜中なもんだから車どおりもなく、音が良く響いて「ブーン」ってなるんだが、これが怖い。
たまに丸窓から覗いて確かめるんだが、これが誰もいない。

まぁそんなことがたまに起こる程度だった。


351 :本当にあった怖い名無し:2007/01/16(火) 12:51:12 ID:/kWWBoHz0
ところがある週末、いつものように友達を呼んで飲もうと思い、一番仲の良い画学生に連絡をした。
今ちょうど別の友達と飲んでたらしく、家に来るとのこと。

一時間ほどして、そいつが来たわけだが、連れはなんと可愛い女の子。
同じ学校で唯一の日本人で、俺は羨ましいと思ったのを良く覚えている。
で、その3人で飲み始め、芸術や最近のこの町のことを語ったりしてた。(俺は美術史の学生だった)

12時を過ぎ終電が無くなり、治安もあまり良くない場所なので、
いつものように「泊まってけ」と言って、また再び飲みだした。

丸窓の傍でタバコを吸っている俺の友達が、「エスカレーター動いてるぜ」と。
時計を見たら2時過ぎ。
またかと思い、「たまにあんだよ」と説明した。


352 :本当にあった怖い名無し:2007/01/16(火) 13:00:26 ID:/kWWBoHz0
するとつれの女の子が興味をもったらしく、「どれどれ」とその丸窓を覗いていた。
「本当だ」と、なんだかはしゃいでいた。
俺は俺で酒を飲みながら、「独りでそれがあると怖い」だのと、あーでもない、こーでもないと話していた。
実はその娘が気に入りだしてたわけだが。

しばらく覗いている彼女が、ふと「誰かいるよ」と言って俺を呼んだ。
「まさかぁ」
酔っ払いかなんかだろうと、隣から覗くと誰もいない。
「いないじゃん」
そういって彼女を見ると、「いないねぇ」と。
俺の友達も「誰もいるわけ無い」と言って、タバコをふかしていた。

俺はトイレに行き、友達はタバコを吸い終わり、部屋で飲み始めた。
ところが、ずーっと覗いている彼女が、いきなり「あっ!」と小さく叫んだから、
二人ともびっくりして「どうしたん?」と聞くと、
「二人出てきたよ。お母さんと子供かな」


353 :本当にあった怖い名無し:2007/01/16(火) 13:09:57 ID:/kWWBoHz0
んな馬鹿なと思い、覗いてみるがやっぱりいない。
「いねーじゃんか」「そういう冗談好きなのか?」「こえーから止めてくれ」
だの散々愚痴った挙句、俺は眠くなったのでそのまま寝てしまった。

翌朝(むしろ昼近くだった)起きると、俺の友達は眠りこけてたが、彼女がいない。
まぁ始発か朝方にでも帰ったのだろうと思い、気にはかけなかった。
が、別の意味で気にはなってたので、その夜電話した。

電話して、昨日どうしたのか聞いてみると、『寝れなかったから朝方早めに帰った』とのこと。
やっぱそうかぃと思い、どうでもいいような事を一通り話し、なんとなく今度二人で遊ぼうと約束した。
電話を切ろうとした時、『エスカレーターさ』と話してきた。


354 :本当にあった怖い名無し:2007/01/16(火) 13:16:03 ID:/kWWBoHz0
なんであんなエスカレーターの話を引っ張るのか?
その時は不思議で仕方なかったが、「今日も動くかもなぁ」と冗談交じりで話すと、
『今度動いても、あまり覗かないほうがいいよ。見付かるよ』と、彼女が低い声で言った。
あまりに低い声で言うものだったから、
その時は「マジで俺はびびりだから、そういうのは止めてくれ」と、ちょっと本気で頼んだことを覚えている。

で、それから3日後、二人で会うようになり、その日は彼女の家にお邪魔した。
俺は料理が出来るので(彼女が料理がまったく出来ない)、俺が夕食を用意して二人で乾杯をした。


355 :本当にあった怖い名無し:2007/01/16(火) 13:25:18 ID:/kWWBoHz0
それ以来、俺は彼女と付き合うようになった。
俺の画学生の友達は偉く無関心で、「あっそ、おめでと」ぐらいしか言わず、
それからもよく家に来て飲んでたのを覚えている。

ところが、その交際も実はあまり続かなかった。
付き合い始めたのが、ちょうど今頃1月か2月だったから、半年程度。
理由は、いきなり彼女が日本に帰国したからだ。
帰る間際には相当痩せこけていたのを覚えている。
その時は「やっぱり俺がいても寂しかったのかなぁ」と、あぁでもないこうでもないと、
俺を捨てて帰国した理由を考えていた。
帰国前の二週間ほどは、殆ど会ってもらえなかった。
おかげで別れもろくに言えず、今もちと引きずっている。

ただ余りに逃げるように帰ったので、俺は相当荒れた。
まぁその画学生の友達と、「女なんかどうでもいい」だの、「あんな身勝手な奴だと思わなかった」だの、
愚痴りまくっていた。
友達は殆どうなずくだけで、あまり何も言わなかったのを覚えている。


356 :本当にあった怖い名無し:2007/01/16(火) 13:32:09 ID:/kWWBoHz0
それから半年して、ちょうど一昨年の今頃、
それから別の国のアート学校にさらに留学した、その友人からメールが来た。
『彼女が入院した。』
なんでも、怪我とかじゃなくて精神的なものらしい。
たしかに付き合ってた頃も結構不思議な子で、金縛りや、独り言は日常茶飯事で、
年中うなされたり、ひどいと叫んだりしてたのは覚えていた。
ただそこまで酷いとは思っていなかったので、かなりショックを受けた。
その時は、日本に帰って様子だけでも見に行くべきかと思ったが、
悲しいもので、学校の単位的にも金銭的にも、日本に帰ることは出来なかった。


358 :本当にあった怖い名無し:2007/01/16(火) 13:42:32 ID:/kWWBoHz0
それから半年して、夏休みに一時帰国することがあったので、
そのついでに彼女の実家の広島まで行ってみた。(俺は東京なので、交通費がかなりきつかった)

住所を頼りに実家を訪問した。どうも様子がおかしいなと、彼女の実家の前で思ったことを覚えている。
と言うのも、なんて説明したらいいか分からんが、なんか色がくすんでた気がした。
インターホンを鳴らすと、彼女の母親が出てきた。
俺を一目見ると、「あなた、○○さん!」と、ほぼ叫んでた。
いきなり叫ばれたのでびびったが、やっぱりその時も変だと思った。


360 :本当にあった怖い名無し:2007/01/16(火) 13:52:06 ID:/kWWBoHz0
家に入れてもらい居間に通され、彼女の容態を聞こうと思ったとき、愕然とした。
仏壇に彼女の大きな写真が、そして線香が焚かれていた。
俺はマジで混乱して、どういうことか把握できなかったから、「どうしたんですか!」と叫んだ。
叫んですぐさま思ったのは、自殺したんだろう。

案の定、入院先から逃げ出し街まで出て、とある雑居ビルから飛び降りたらしい。
その時のことは、正直俺も記憶が今でもあやふやだ。
ショックだったし、なにより、やり直すつもりでそれなりの覚悟をしてたからだ。
理由を彼女の母親に尋ねるも、病院に入院していたこともあり、精神的なものだとしか聞かされなかった。

結局、日も限られていて、墓参りをした次の日には東京に戻り、その一週間後にはまた自分の留学先に戻った。


362 :本当にあった怖い名無し:2007/01/16(火) 14:01:10 ID:/kWWBoHz0
留学先の自分の屋根裏のアパートに戻ると、手紙が届いていた。
なんと彼女からだった。正直、生まれて一番びびったかもしれない。
封筒を開けると、酷いものだった。錯乱していた。
辛うじて内容はつかめたが、本当に荒れた字だった。

わたしはしぬ。あれからずっとおいまわされてる。
げんじつにもゆめにもずっと、あのおとと、あのふたりがついてくる。

読める範囲で理解できた言葉はそれだけだった。
ただ、デッサンが同封されており、なんてことは無い、俺のアパートの丸窓だった。
俺はあまり泣かないほうだが、この時ばかりは泣いた。
15年ほど前にオヤジが死んだときも泣いたが、それ以上に泣いた。


364 :本当にあった怖い名無し:2007/01/16(火) 14:08:51 ID:/kWWBoHz0
それを機に、急遽帰国して今に至るわけだが。
帰国する前に、他国へ留学した画学生の国に遊びに行った。
相変わらず飄々としていたが、起こったことをすべて話すと、
「黙っていたことがある」といって語り始めた。

なんでも、彼女が俺の家に初めて来て以来、ずっと変な親子に付きまとわれていたと言うこと。
なんとなくは予想していたが、当時は本当にそんなことがあるとは思いもしなかった。
思えば、付き合った半年、後にも先にも彼女はその一度しか家に泊まっていなかった。
俺にそれを黙っていたのは彼女の思いやりらしく、その画学生の友人も約束を守り続けていたらしい。


365 :本当にあった怖い名無し:2007/01/16(火) 14:19:06 ID:/kWWBoHz0
そしてそれを聞かされあと、俺は留学を取りやめ、完全帰国することを打ち明けた。
すると、「実はもう一つ黙っていたことがある」といい、
「俺も見たんだ、実は」そう続けた。
「彼女の言っていた母親と子供を見た」そうも言った。
いきなり言われたもんだから、信じれなかったが、
「俺もそれ以来ずっと付きまとわれている。
 それから、あのエスカレーターのブーンとか言う変な音も」
そう言うと、いきなり怖い顔して俺にこう言った。
「日本に帰るまで、どんなことがあってもあのエスカレーターに近寄るな」


366 :本当にあった怖い名無し:2007/01/16(火) 14:31:48 ID:/kWWBoHz0
帰国のための荷物を手っ取り早くまとめ、飛行機のチケットを手配し、逃げるようにして日本に帰ってくるわけだが、
帰る前に、彼女との思い出の場所やらなんやらを一通り巡った。

その国での最後の夜に、ちょうど2時過ぎ頃、彼女が丸窓を覗いた頃、エスカレーターがブーンと鳴り始めた。
友人の忠告も無視して俺は覗いた。しかもずっと、そのエスカレーターが止まるまで見続けた。
なにもない。なにもいない。


367 :本当にあった怖い名無し:2007/01/16(火) 14:38:17 ID:/kWWBoHz0
この話は、ここで終わる。
俺は幸いその親子に付き纏われずに日本に戻り、普通に仕事をして暮らしている。
ただ、この話には、一つだけ今でも俺を悩ませている事がある。
それは、実家に着くと俺宛に届いた、画学生の友人からの一通の手紙である。
そこには、今から自殺すると言うこと、探さなくて構わないということ、そして…


368 :本当にあった怖い名無し:2007/01/16(火) 14:43:15 ID:/kWWBoHz0
俺が彼女と付き合っている間に、彼女をレイプしたらしい。
そして、それ以来、段々と彼女がおかしくなったと言うことが書かれていた。

それを読んだとき、俺は彼女が俺宛に遺した手紙を引っ張り出した。
最後のどうしても読めなかった一文を、やっとその時読むことが出来た。
『こめんなさい、本当にごめんなさい。』

2013/07/18(木) 18:00:00

576 :通りすがりの名無し:2006/12/13(水) 18:31:56 ID:pf1GsXTF0
そろそろ年末、旅行シーズンなので、自分が体験した旅行での怖い話を一つ。

中学の時の修学旅行で京都へ行った。
夕食、風呂も終わって、旅館で寝るまでの自由時間を楽しんでた時だった。
俺は右隣の部屋に仲の良い連中がいるので遊びに行った。

俺達は定番のトランプやらウノやら一通り遊んで、飽きはじめた頃、
誰かが「怖い話をしようぜ」なんて事を言った。
部屋の明かりを消して、中央に10人ほど集まり、1人目の話が始まった。

2人、3人・・・4人と話は進んで行き、次はA男の番だった。
「安い旅館や修学旅行で使われる部屋って、でるんだよな!
 御祓いの為にお札が、絵やツボの裏、押し入れの中に貼ってあるんだってよ。
 探してみようぜっ!」
怖い話を期待してたのでシラケつつ、部屋中の捜索が始まった。
実際にあったらあったで面白いし、何よりありそうな感じがした。


577 :通りすがりの名無し:2006/12/13(水) 18:34:06 ID:pf1GsXTF0
絵やツボの裏側、押入れの中はもちろん、テレビの下などあちこち探したけど、結局何一つ出てこなかった。
そのうち、どこかの部屋で始まっていたマクラ投げが伝染してきて、この部屋でもマクラ投げ大会が始まった。
だんだんエキサイトしてきて、布団を投げ始めたりプロレスごっこになったり、
修学旅行の夜というのを満喫していた。

「おっ?」
少し遊び疲れた頃、A男が天井にある点検口を見つけた。点検口ってわかる?
天井裏に入るための入口で、普通の家だと洗面所あたりの天井についてるやつ。
そこの旅館は、なぜか部屋の端っこの天井についていた。
A男は悪いやつじゃなかったが、ちょっと度が過ぎてしまうタイプだった。
「おぃ、あんなか入って見ようぜ!隣の部屋まで行けるんじゃね?」
暗所、閉所恐怖症の俺は断固拒否した。他の連中も、疲れただの汚れるだので拒否してた。
「なんだょ、じゃ俺が入ってみっから馬になってくんね?」
3人で2段の馬を作り、A男が点検口を開ける。スムーズには開いたが、パラパラと埃が落ちてくる。
たぶん長い間使われることが無かったんだろう。開いたその先には真っ暗な空間が広がっている。
「なんだよ、くれーなー」
A男が中に頭を突っ込んでしゃべってる。中が明るいとでも思ったのだろうか。
「あ・・・・」
何かを見つけたのだろうか、A男が声を漏らした。


578 :通りすがりの名無し:2006/12/13(水) 18:36:18 ID:pf1GsXTF0
「おぃなんかあったぞ!」
と言いながら、A男は両手を穴の中にあげたまましゃがんで、頭だけを暗闇の中から出した。
穴が小さいため、手に持っているものと頭を同時に出せなかったんだろう。
手をゆっくりと、暗闇の中から明るいこちらの世界へ戻す。
手に持っているものが見えたとき、その部屋の中にいる人達の動きが一瞬止まった。
「うゎぁぁ!なんだこれ!」
天井裏は暗くて、A男にはそれが何なのかまったく分からなかったんだろう。
分かっていれば、それを取ろうなどとは考えもしなかっただろうに。


579 :通りすがりの名無し:2006/12/13(水) 18:39:26 ID:pf1GsXTF0
A男が天井裏から見つけた物は、赤い柄のついた、和紙でできた折り人形。御札。それと小さな赤い本だった。
長い年月置かれていたからなのか、人形の表面はほこりで黒く汚れ、
御札はかろうじて文字が読める程度にまで古びていた。
小さな赤い本は、ポケット辞書ぐらいのサイズで、赤黒くなった表紙には、なにやら文字が書いてあった。
A男は驚いた拍子なのかわざとなのか、周りにいた人達にそれらを投げつけた。
もちろん誰も受け取ろうとはせず、本はバサっと畳の上に落ちた。
人形は和紙で作られていたせいか、ヒラヒラと舞い落ちて、部屋の隅のほうへ落ちて行った。
片方の手と足を畳に、もう片方の手で壁をささえ、偶然なのかナナメに立った。
御札もヒラヒラと舞い落ちて、人形のあとを追うように畳に落ちた。
心なしか、人形はA男を睨みつけているように見えた。


580 :通りすがりの名無し:2006/12/13(水) 18:40:55 ID:pf1GsXTF0
A男は馬から飛び降りて、再び人形を手に持ち、また俺たちに投げてきた。
たぶん、自分でもやばいと思ったんだろう。
その気持ちを誤魔化すかのように、静かになったその部屋で、半笑いで人形や本を投げつけてきた。
A男以外、誰も言葉を交わさない。引きつった顔で、人形と本から逃げまくる俺達。
B男「それ、やべーから元に戻せって!」
他「うん、うん」
ついにB男が口を開いて、それらを元の位置に戻すように提案した。
A男もすぐに、元に戻すことに賛成した。

A男は人形と御札と本を拾い、軽く埃を払って「ごめん」と呟いて、天井裏の元の位置に戻した。
テンションも下がり、就寝時間も近かったため、みんな各自の部屋に戻っていった。
俺は隣の部屋、A男はさっきまで遊んでいた、あの人形のあった部屋だ。


581 :通りすがりの名無し:2006/12/13(水) 18:42:48 ID:pf1GsXTF0
すぐに消灯時間は過ぎ、先生達が見回って部屋の電気を消させた。
部屋の入口のドアは少し開けられていて、廊下の明かりが差し込む。
たぶん、しゃべったりしてる生徒を見つけやすいようにしたんだろう。
先生達が廊下を、パタッパタッと行ったり来たりする足音が聞こえる。
廊下の明かりと、先生達が見守ってくれているという安心感からか、
先ほどの人形の出来事を忘れて、すんなり眠りにつけそうだ。
パタッ・・・パタッ・・・パタッ・・・パタッ・・・パタッ。
先生の足音を聞いているうちにウトウトし始めて、俺は深い眠りについた。

寝始めてどれくらい時間がたったのだろうか。「ドンッ!」と地響きのような音でハッと目が覚めた。
夢かと思って、ドキドキしながら2回目の音が聞こえるのを息を殺して待っていた。
おそらく、同室の連中もそうだったに違いない。
すぐに「ドンッ!ドンッ!」と、1回目と同じくらい大きな音が鳴り響いた。それと同時に叫び声が聞こえる。


582 :通りすがりの名無し:2006/12/13(水) 18:44:10 ID:pf1GsXTF0
ドンッという音と叫び声は、どうやら隣の部屋からのようだ。
廊下からS先生の「どうしたっ!」っという声と、A男の叫び声のような物が聞こえてくる。
俺たちはあわてて部屋を出て、隣の部屋に駆け込んだ。
部屋の中はすごい光景だった。
A男が目をちばらせ、壁に向かって手足を振り回してた。
まるで、壁から出てくる何かに必死で抵抗しているように見えた。
A男「やめろー!くるな!くるな!」
S先生「おいっA!しっかりしろ!」
A男「手が!手が!手が!壁から手がーーーーーーーっ!」
すぐに他の先生達が駆けつけ、A男を取り押さえた。
A男は押さえつけられながらも、叫びながら必死で何かに抵抗していた。
見ている俺らも怖くなるぐらい、暴れ叫んでいた。

S先生「おいっ!救急車を呼べっ!」
誰が救急車を呼んだのか知らないが、すぐに救急隊員がタンカを持って入ってきた。
タンカに載せられて縛られても、A男は暴れ続け失禁までしていた。
そのまま救急車で運ばれていってしまった。


583 :通りすがりの名無し:2006/12/13(水) 18:46:03 ID:pf1GsXTF0
S先生「さーもう全員寝るんだ!あいつは悪い夢でも見たんだろう」
と部屋から生徒を追い出し、各自部屋に戻って寝るように言った。

もちろん、あんなのを見てしまったからには、寝られるわけが無い。
俺たちは部屋に戻って、皆が落ち着きを取り戻した頃に、S先生を呼び出した。
そして、A男が屋根裏から人形などを見つけて、投げたりして遊んでしまったことを伝えた。
S先生「そんな事は関係ない。あいつは夢遊病か何かなんだろう。お前たちも気にしないで寝ろ。
 一応、旅館の人に、その天井裏の人形の話はしといてやるから」
と言い、すぐに部屋を出て行ってしまった。
しかたなく俺も布団に入った。
怖くて壁や天井は見れなくて、ガタガタ震えながら布団をかぶって朝を待った。


585 :通りすがりの名無し:2006/12/13(水) 18:51:07 ID:pf1GsXTF0
翌朝、もちろんA男の姿はない。
朝食後、部屋を出る準備をしている時に、俺のクラスの生徒は全員集まるように指示された。
集まる場所はA男のいた部屋だった。
担任はすでにいて、部屋に入ると端から順番に正座をさせられた。
昨日の事を怒こられるのかなと俺は思っていたんだが、どうやら違ったようだ。
生徒が部屋に入った後、ぞろぞろと旅館の従業員さん達が入ってきた。
そしてそれに続いて、白装束を来た神主さんらしき人が3人入ってきた。
そして、全員手を合わせて目をつぶるように言われ、言われたとおりにお経のような物を唱えた。
御祓いのような儀式は、2時間ぐらい続いた。

その後、何事も無く修学旅行も終わったんだが、A男が修学旅行に復帰することはなかった。

学校が始まってもA男は戻ってこない。
担任の話では、別の学校に転校したとの事。
噂では、精神異常者となり、精神病院に入院してしまったとか。
A男の自宅も引っ越してしまい。A男の消息はまったく分からなくなってしまった。

その後、考えてみると不思議なことがあった。
・だれが救急車を呼んだのか分からなかった。(先生が生徒に聞いたが誰も呼んでない)
・救急車が来るのが異常に早かった。
・救急隊員の顔が見えなかった。(なぜか黒くて見えなかった)
・誰も救急車に連れ添っていかなかった。

あの部屋で何があったのか、なぜ人形と御札と本があったのかは、みなさんの想像に任せる。
あの救急隊員は人間だったのか。

もう20年前にあった実話。
読んでくれた人、長々とありがとう。